病弱だった女性医師がやっと巡り合えた健康法・美容法

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アルコール好きには耳の痛い話


昔から酒好きの人は「酒は百薬の長」だからという理由をつけて飲みたがりますが、ある意味正解です。

欧米を中心とする疫学研究によると、

少量の飲酒者は、虚血性心疾患による死亡率が、もっとも低いとする、「Jカーブ効果」があると報告されました。

飲酒Jカーブ効果

この報告で「Jカーブ効果」が得られるのは健常者で飲酒量エタノール換算で20g/日(缶ビール1本はエタノール18g)までの少量飲酒者のみとされます。

 

多量飲酒者では明らかに死亡率は、急激に悪化します。

 

これらの報告はいずれも欧米人が対象ですが、後の疫学研究で日本人にも当てはまる事がわかりました。

 

アルコール好きな方は、『寝酒でよく眠れる』と錯覚していますが、

寝る前のアルコールは睡眠の質を悪くします。

 

寝酒を飲んだ時と飲まなかった時の睡眠中の心拍数を比較する実験では、

飲まなかった時は安静時の心拍数だったものが、

寝酒を飲んだ時は心拍数が上がって起きて活動している時と同じになっていました。

 

寝ている時は副交感神経優位になって起きている時より心拍数が低くなっていなければならないのに、

寝酒を飲んだ時は睡眠中交感神経優位の戦闘モードになっていたということですから、

安眠とは程遠い状態です。

 

また、アルコールには利尿作用があり睡眠中にトイレに起きることになり、安眠を妨害します。

 

寝酒をやめ、どうしても飲酒したいなら就寝3時間前までに適量を飲み終える事をお勧めします。

 

適量とは、Jカーブの底の値、すなわち男性で1日20g、女性で1日10gが目安となります。

 

アルコール量20gは、ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.7合、ウィスキーダブルで1杯、ワイングラスで2杯に相当します。

 

ところが、

アルコールが肝臓で分解されて生じるアセトアルデヒドという物質は、

悪酔い・二日酔いの犯人であり、顔を赤くする作用とともに、強力な発がん物質です。

 

このアセトアルデヒドを分解する酵素(アセトアルデヒド脱水素酵素)が先天的に少ない人が、顔が赤くなる人です。

 

アジア人の約半数にアセトアルデヒド脱水素酵素低下が、認められますが、

 

お酒を飲んで顔が赤くなる人(flasher)は、少量の飲酒もお勧めできません。

アセトアルデヒドは、食道がん・頭頸部がんに大いに関連があるとされているからです。

 

従来、日本女性には、飲酒文化はありませんでした。

近年、女性飲酒者が増えていますが、男性に比べて約1/2から2/3という少ない飲酒量・飲酒期間で、

男性と同じ脂肪肝や肝硬変が発症するとされています。

 

がんについて言えば、喫煙・ウィルス・放射線・食塩などがイニシエイター(発癌起始因子)で、

アルコールがプロモーター(癌増殖因子)といわれています。

女性のがんのうちで特にアルコールと関連ありとされているのが、乳がんです。

 

女性はアルコールを飲まないことをお勧めします。

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管理人: akemi koide

akemi koide

福島県生まれ。 こいで耳鼻咽喉科・美容皮膚科の開業医。(愛知県尾張旭市) 3歳、鼻の付け根を箪笥の角で強打、 皮膚がパックリ割れて無麻酔で5針縫う人生初の手術。 幼稚園である事件に巻き込まれる。→あとでブログに書きます。 小学校では、名字をからかわれ(かなり変わった姓だった) ショートカットの髪型で男の子と間違われ続ける。 小学2年で虫垂炎の手術。 中学時ピアニストを目指していたが、「朝起きられない病」で中2から不登校に。 高校では高2から腎臓病で入院生活。 2年間ほとんど勉強せず。 人生3度目の手術:扁桃摘出術。 入院中、医師の仕事に憧れ 二浪して秋田大学医学部に入学。 医院開業してからも入院手術2回、1回の骨折(右足首)。結局今まで5回の手術。 「わたしの人生、手術と病気が多すぎるのはなぜ?」と 予防医学を勉強するうち、オーソモレキュラー医学と出会い栄養の重要性を思い知らされる。 オーソモレキュラー医学こそが健康でいられる秘訣との確信に至り、 この健康・美容・アンチエイジングブログでその素晴らしさを発信していきます。

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